岩屋公園内にある隧道(ずいどう)は、江戸時代の寛文(かんぶん)三年(一六六三年)に開田、十五町歩の用水として延長一七三メートル(九十五間)を測量(そくりょう)器具(きぐ)のない時代にローソクの火を使って水平(すいへい)方向(ほうこう)を定め、工事を進めた。また、罪人(ざいにん)を使って、人力で掘ったという言い伝えがある。当時は大変な難工事(なんこうじ)であったろうと想像される。両側から掘ったらしく、中間(ちゅうかん)に滝が出来て、水の音がする。中にはコウモリがいて、土砂が堆積(たいせき)している。
先人のおかげで現在は、農協古殿支所の前まで、清水・古殿地区二十四ヘクタールの水田に灌漑(かんがい)されている。