熊ヶ岳の宝福寺(ほうふくじ)(山ン寺)の開祖・覚卍(かくばん)禅師(ぜんじ)さんが、清水の藤田家まで火をもらいに来ていた。薪火トギは、大きな生木(なまき)を柱にくくり、いろりに一年中火が絶えることがないようにしていたという、言い伝えが昔からあったと祖母に聞いていた。 農家は昭和40年頃まで茅葺(かやぶ)きでいろりがあった。各家では生木(なまき)を柱にくくりつけ、正月十日はもちこたえるよう大きな物を準備した。今考えると、昔からの言い伝えと思われる。