昔のおばあちゃん

 

昔のおばあちゃん

 昔のおばあちゃん達は酒の強い人が多かった。清水から古殿(ふるとの)に嫁に行った万亀(まんがめ)さんは、おはぐろのおしゃれをした、口うるさいやかまし屋で、小言を言う女性で、男性からも一目置かれる人だった。
 肝(きも)煎(い)りばあさんで、嫁のやりとりの仲人(なこうど)を何組も成功させた、縁結(えんむすび)の神様だった。いつも清水の兄弟宅を一軒一軒訪問して帰っていくのだが、親戚(しんせき)の嫁達は叱られるのを恐れ、次々に連絡を取り合って隠(かく)れていたという。
 しかし、祝い事や葬儀などの準備には采配(さいはい)をふるい、責任を発揮され、なくてはならない存在だった。万亀さんのような人がいて、集落の行いが成り立っていた。
 また、おばあちゃん達は、共同でみそつきや「鼻つまんだんご」を酒を飲みながら楽しそうに作っていたものだった。
 ※ 鼻つまんだんご 疱瘡(ほうそう)の神様に供えるための団子。

​清水地区公民館