守り続けた隠れ念仏

 

守り続けた隠れ念仏

川辺町の清水と金峰町(きんぽうちょう)の白川(しらかわ)・尾下(おくだり)の西本願寺に属する門徒によって、隠れ念仏講が一二〇年以上にわたって継承されていたが、残念なことに現在は途絶えてしまった。
 三ヶ月に一回、各所で代表二〇名が参加し、精進(しょうじん)料理(りょうり)の昼食をとって約一時間の説教をきくと、すぐに次の場所へ運ぶ準備に取りかかる。阿弥陀(あみだ)如来像(にょらいぞう)、掛(か)け軸(じく)五幅(ふく)、仏具等を五つの木箱に入れ、さらに大切に取り扱うという配慮(はいりょ)からかゴザに包んで白い帯で背負(せお)って峠(とうげ)の山道を越(こ)えて運んでいた。

​清水地区公民館